捲りができないとSGは獲れない

ボートレースの歴史において決まり手の変化は、レーススタイルの変化を映し出している。しかし、「捲りができないとSGが獲れない」という考えは、多彩な決まり手が多かった昔のレースだけではなく、逃げ決着の多い今のボートレースでも通用する。

現在のボートレースは、枠なり3対3の進入隊形が圧倒的に多いが、その昔特にモンキーターンが主流になっていない1990年代前半までは、各々の選手が取りたいコースを主張し、進入の駆け引きが激しく、枠なりに進入している艇が少ないのが当たり前であった。

例えば、『黒い弾丸』と異名がついた22期の黒明良光は、アウトからの全速ターンで勝負する選手であった。1989年のSGオールスターの優勝戦では、他の5人よりも登番が古いのに、敢えて6コースに進入し、捲り差しで優勝している。同期の中道善博は逆にインから勝負するタイプの選手であった。現在のように、「コースを動くのはイン屋と極々少数のアウト屋だけ。大多数は枠に応じたレースをする」というものではなく、自身のレーススタイルを貫き、イン屋だけでなくアウト屋も大勢いたのだ。

その黒明がレーサーとして上達するために必要なこととして常々言うのは、まずは捲りを覚えることだ。新人のうちは大外からのレースが多いが、この頃に捲ることを覚えていくことこそが、ターンスピードを磨き、そのうちスピードを持ったままハンドルを入れることができるようになり、捲り差しができるようになるというのだ。つまり、SGレベルのターンスピードを手に入れるためには、捲りができることが絶対条件なのだ。


ここで、艇国データバンクのデータを参考にさせていただくことにする。データは1997年5月1日以降のものになることに留意いただきたい。以下のSGレーサー4名の選手について、グレードに関係なく、優勝したレースに注目してみた。

★野中和夫
イン逃げでSGを優勝することもあれば、アウトに入って捲りでSGを優勝することもあったクレバーなコース取りをする選手であった。このデータには9回の優勝が記録されているが、6回が捲りでの優勝である。

★西田靖
2022年10月に2500勝を達成した現役の選手であるが、若手の頃から先輩たちに臆することなくインを取りに行っていたほどのイン屋。そんな西田でも4回の捲りでの優勝がある。

★山崎智也
逃げでの優勝が増えてきたのが2002年以降。それまでは色々な枠番による様々な決まり手で優勝している。

★瓜生正義
現・日本モーターボート選手会会長。6つのSG優勝のうち3つを捲りで優勝している。2021年のSGグランプリは記憶に新しい。

このように、アウト屋ではない選手でも、イン屋の選手でも、ターンのキレがいい印象の選手でも、捲れる場面は捲って勝負をし、そして勝ってきている。そういう選手がSGを獲ることができるのだ。
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チムリー
Posted byチムリー