絶対王者・松井繁

今年2013年7月、ボートレース若松で開催されたSGオーシャンカップ。優勝は「絶対王者」の異名を持つ松井繁選手。今年オーシャンカップでの松井繁選手は、私の見たことのない気迫であふれた王者がいた。

ボートレースファン歴6年半の私ですが、まだペアボートにすら乗ったことのない私ですが、正直、松井は何で「王者」と言われているんだろうと思っていた。この5年以内に松井が賞金王になった瞬間も見ているけれど、内2艇が1マークで喧嘩しての差しだったし、ダイナミックなレースはせずに何故か着をまとめて優勝戦に乗っている。だからこれまで「強い」という印象は持たなかった。

しかしこのオーシャンカップでの松井は違った。節間成績は33211111。着をまとめるどころか、取りに行ってる!2回目の1着は5号艇で展示では3コースだったのに、本番でまさかのインコースを奪取。02のSで他艇を寄せ付けずにあっさり逃げた。3回目の1着はまたも02のSだったが、01でフライングの4コース山田哲也を差し置いて3コースからの捲りで快勝。ゼロだいスタート連発と“捲り”を見せた松井は、私が見たことのない松井だった。

インタビューでも3日目のレースを引合いにだし、フライング艇がいても勝つことを宣言した。彼の強気な発言には慣れている私でも、本当に勝つ気で来ている言葉として受け取った。これはかつて「わいは勝負師やない。勝ち師や」と言ったあの大阪の野中和夫元選手の言葉が思い出させられるほど、強い覚悟が感じられた。

年末の賞金王に向けて賞金を考えながら常に走っている松井は、一年の内に長期、中期、短期の目標を掲げているという。そういった作戦があることは何となく私でさえわかっていたが、そろそろ今年の勝負がけだからと言って、勝とうと思ってSGを勝てるものではない。それをやってのける松井はやはり強いのかもしれない。

っていうか、勝とうと思って勝てるのならSG何連勝もしてほしい!と思うけど、その次のSGのMB記念は優勝戦には乗らなかった。松井はたいへん努力家で、だからこそ手を抜くわけではないが、その気合を続けることのできないところに人間味を感じて、なんか私ももうちょっと頑張れる気がすると勇気をもらった。

絶対王者・松井繁
SGオーシャンカップ優勝4回。彼の強さをまだまだ見たいと思った。

チムリー
Posted byチムリー